日本国内で災害が少ない地域を知っていますか?昨今異常気象や、南海トラフ等の大規模地震予測の影響から、いつ起こるかわからない自然災害に備えて少しでも安全な地方への移住、もしくは新たに拠点を作ることを検討している方々が増えております。そんな一部の方々から、群馬県への移住が今注目を集めています。
住宅地盤の調査をしている地盤ネット株式会社の独自調査による「いい地盤ランキング」※1 によると、都道府県別で地盤が強い県第1位は沖縄県で、次いで2位はなんと群馬県です!関東山地の火山による火山灰から作られた平坦な台地が多いことが理由の1つだそうです。実際、長年群馬県に住んでいる方に聞くと、「ここ(群馬県)は昔から地震に強い」と口をそろえて言います。
水害・土砂災害に関しても、令和元年東日本台風の被害(死者 4 人、重傷 1 人)を除いて、ここ数年群馬県で大きな被害はありませんでした。※2
ですが、 “絶対”安心という場所はこの世に存在しません。ご自身や家族の身を守るために、自分の住む場所にどんな危険があるのか把握する必要があります。今回は、群馬県みなかみ町の防災情報をまとめました。みなかみ町で土地や建物を探す時や、災害時の避難ルートを調べる時に、役立つと嬉しいです!
目次
みなかみ町の特徴
そもそもみなかみ町はどんな町なのかご存知でしょうか?簡単に地域の特徴を紹介します!
みなかみ町は群馬県の最北端にあり、新潟県と群馬県の県境に位置します。群馬県内で1番面積が広い町で、その9割が森林に覆われています。町のシンボルともいえる谷川岳は、猫耳のような2つのピークと、周辺の山にはない岩肌が特徴的です。年間約4万人の登山客が谷川岳へ訪れていると言われています。
群馬県の南部(高崎や前橋)は暑いイメージがある方もいるかと思いますが、みなかみ町は都心に比べて全体的に気温が低めです。避暑地として夏にみなかみ町へ旅行をする方もいます。一方で冬になると平均気温0~1℃と低く、雪が積もる地域です。エリアごとに積雪量は変わりますが、多い所で1m超えで、毎日除雪機での雪かきが必要な場合もあります。冬は町内にある7つのスキー場目当てに観光客が集まります。
関東平野に流れる利根川の源流は、みなかみ町にあることは知っていましたか?透き通った利根川の水が町全域に流れています。その他にも赤谷川やダム湖などあり、そんな豊富な水の資源を活用して、カヌーやSUPなども盛んです。
(みなかみ町、利根川)
みなかみ町は3つのエリア(月夜野・新治・水上)に分けられることがよくあります。これから紹介する町内の防災情報にも、この3つのエリアに分けて説明する部分もあるので、ここで簡単にチェックしてみてください!
月夜野:駅や住居、スーパーなど生活の機能が集中している街中のエリア。画像ではピンク色の部分。
新治:町内で農業が盛んなエリア。旧街道の風情と農村風景を感じられます。黄色の部分。
水上:豊かな自然資源を活かした観光エリア。アクティビティやホテルが多いです。緑色の部分。
右記の画像は、「みなかみ町移住ガイドブック」から見ることができます!本ガイドブックはみなかみ町移住者のリアルな声を参考に、みなかみ町暮らしの魅力と現実な部分をまとめております。ご興味あれば下記のURLからご覧ください!
山や川に囲まれたみなかみ町ですが、被害が大きかった土砂災害ここ数年ありません。実際過去に下記のような土砂災害の被害がありましたが、幸い死傷者はいませんでした。
・2015年7月、湯檜曽地区、土合駅近くで土砂災害。乗用車3台に乗っていた男女7人が一時的に身動きとれなかった。死傷者は
いなかったが、土合駅に90人近くの人が取り残された。
しかし冒頭でもお伝えしたとおり、今まで被害が少なかったとはいえ、今後災害が発生しないとは言えません。想定できるみなかみ町での災害リスクを確認しましょう。
ハザードマップで地区ごとの土砂災害のリスクを知ろう
地区ごとにどんな災害リスクがあるか知るために、まずハザードマップを見てみましょう。ハザードマップとは、地域に合わせて自然災害を予測し、可視化した地図です。洪水・地震・火山など、ハザードマップの種類によって役割が異なります。
みなかみ町のハザードマップは、土砂災害危険個所が示されています。集中豪雨の発生で土砂災害の危険がある場合、自宅周辺でどこが危ないのか、どの道を使えばいいのか調べることができます。まずはみなさんの気になる地域(住みたい地域)のハザードマップを見て、土砂災害のリスクを確認してみてください。
みなかみ町ハザードマップ一覧:
下記の画像は、月夜野エリアの町組地区の実際のハザードマップです。この地図を見てわかるように、土砂災害特別警戒区域、土砂災害警戒区域などの恐れがある箇所には色が塗られていて、過去に遭った被害や緊急連絡先など必要な情報一目でわかるように載っております。
ハザードマップを見る際確認してほしいポイントが2つあります。
1つ目は、避難所等の地図記号。
避難場所の名前の付近に、崖崩れや地震などの災害を表した図記号が確認できるかと思います。災害によっては避難所として適していない場合もあります。地震が起きた際に逃げる避難所、大雨洪水警報が発令された際に逃げる避難所というように、災害の種類ごとに避難所とそのルートを決めておきましょう。
2つ目は、避難経路です。
ただ最短距離で避難所に向かうのが最善とは限りません。どの道を使えばできるだけ安全に避難できるか確認しておきましょう。
これだけでも用意して!みなかみ町防災マップ!
「みなかみ町防災マップ」は、ハザードマップと防災情報が1冊の冊子に載っています。防災知識もまとめられており、その一例としてこちらの「自宅にとどまった場合の備え」のページをご紹介します。わかりやすいイラストと、チェック欄など記入できる箇所もあるため、小さなこどもでも見やすくなっております。お子様がいる方はみなかみ町防災マップを用いて、災害が起きた時について一緒に話し合ってみることがおすすめです。
こちらの冊子はみなかみ町民に配布されております。受け取ったら棚の奥にしまわず、いざという時にすぐに確認できる場所に置いておくといいですね!全容はみなかみ町役場のホームページからもご覧いただけます。
高齢者などの方が特別な支援が受けられる福祉避難所
要配慮者(主として高齢者、障がいのある人、乳幼児その他の特に配慮を要する者)の方が特別な配慮を受けられる福祉避難所が町内に8箇所指定されております。主に小学校や福祉センターなど公共の施設が指定されています。ご自身やご家族が要配慮者に当てはまらなくても、自宅近くの避難所が指定されていたり、周囲に必要としている人がいたりする可能性があるので、この機会に一度確認してみてください!
【月夜野地区】
・カルチャーセンター:https://maps.app.goo.gl/82YvMvTuRswEfGKG9
【水上地区】
・水上デイサービスセンター:https://maps.app.goo.gl/P4ZJNVqEkeKruDoj6
【新治地区】
・みなかみ町福祉センター:https://maps.app.goo.gl/JuTG6Jafckdfm3aJA
「防災インフォみなかみ」で、いち早く町内の防災情報をゲットしよう!
「防災インフォみなかみ」は、町内の火災や災害、緊急情報をいち早く受信できる配信システムです。こちらに登録すると、みなかみ町の緊急時・災害時の情報をスマホやメールで簡単に受け取ることができます!
大きな災害だけでなく、平常時は地区の水道断水情報や防災喚起など、みなかみ町役場からの重要な情報も手に入れることができます。また、みなかみ町ならではの情報ですが、クマの出没情報もあります!暖かくなると1週間に数回の頻度でクマの情報が入ってくることも珍しくないです。
みなかみ町に移住する場合、防災インフォみなかみの登録をおすすめします。登録は簡単で、「アットインフォカナル」というアプリをインストールするか、もしくはメールで登録することもできます。詳細は下記のURLからご覧ください。
インストール方法:
地域の消防団に入りませんか?
消防団とは、消防署に常時勤める人ではなく、「自分達の町は自分達で守る」という精神のもと、地元の人で構成された非常勤特別職の地方公務員です。火災が起きた際、自宅や職場から現場へ駆けつけ、消火活動・救助活動を行っています。
「みなかみ町に住んでいる、もしくは働いている18歳以上で心身ともに健康」な人であれば、誰でも入団することができます!みなかみ町の消防団の団員は全員男性でして、移住すると男性の方は声がかけられると思います。年額報酬や防災手当が支給されるので、詳しいことは「みなかみ町役場 総務課 消防・防災グループ」に直接お問い合わせください。
有志での入団となりますが、地域の人との繋がれることは大きなメリットかと思います!また、消防・防災に関する研修や訓練を受けることができるため、防災への知識を深めることができます。移住される方は一度ご検討してみてください。
みなかみ町消防団パンフレット:
群馬県での取り組み
群馬県でも下記のような防災の取り組みをしております。
●群馬県防災ポータルサイト
「群馬県防災ポータルサイト」は、群馬県内の気象状況発表状況や避難情報発令状況を確認できるサイトです。みなかみ町以外の市町村で災害に遭った場合に備えて、こちらのサイトを覚えおくといいかもしれません。X(旧Twitter)アカウントもあるので、日ごろから最新の情報を得ることもできます。
●ぐんま河川ライブカメラ
リアルタイムの河川の情報を見ることができます。洪水の危険性がある場合、直接確認に行かず、こちらのライブカメラでご確認ください。
いかがでしたでしょうか?みなかみ町のエリアごとの土砂災害の危険性と、緊急時の情報収集の手段を知るだけで、災害に遭うリスクを減らすことができるかもしれません。
一般社団法人FLAP 元井
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