楽しいいなか暮らしは、危険とも隣り合わせ!?知れば対処できる、マムシや危険生物にご注意!
- Yuichi Suzuki
- 7 日前
- 読了時間: 5分

東京から新幹線で約1時間。群馬県みなかみ町は、山・川・森に囲まれた自然豊かな町です。登山や川遊び、畑仕事、BBQにキャンプなど、都会では味わえない、自然が豊富だからこそのダイナミックな暮らしを楽しむことができます。
ですが、自然の恵みと一緒に、「自然のリスク」にも向き合っていく必要があります。
5月以降暖かくなるグリーンシーズンは、自然の生き物たちも活発に活動する時期。野生の危険生物たちも同様で、自然が近いということは遭遇の可能性も高まります。
たとえば、畑を荒らしたりテレビのニュースにもなりやすい、クマやイノシシなどの大型獣はイメージできますが、実は小さい生き物も危険な存在。最近は致死性の毒を持つマムシとの遭遇も、増えています。
常に身近に潜む危険生物のリスク。何も知らないと恐怖でしかないですが、遭遇しない方法や襲われない方法、何かあったときの対処法がわかっていれば、自然との距離感や折り合い方がわかってきます。
今回は致死リスクの高いマムシについての情報・対処法をご紹介します!
1. 忍び寄る毒牙・マムシに注意!
近年、みなかみ町内ではマムシの目撃情報が増えています。マムシは日本に広く分布する(どこでも遭遇する可能性のある)毒ヘビで、特に初夏〜秋(5月〜10月)にかけて活発になります。
性格としては基本的に臆病で自分から攻撃してくることは少ないものの、足元にいるのに気づかずに近づいてしまったり、草むらに手を入れてしまった場合など、防御反応として噛んでくることがあります。農作業に集中していると、うっかり出くわしてしまった!みたいなこともあります。
遭遇しやすい場所
背の高い草むらやあぜ道
枯れ葉が積もった林道
石積みや古い農機具の下
沢や田んぼの水辺まわり
いなか暮らしではそこらじゅうで見受けられる場所です。 日中の気温が高くなる時間帯(10時〜16時頃)には日向ぼっこをしている個体が見られることもありようで、特に注意が必要です。
◆ マムシの特徴(見かけたら絶対に近づかない!)

頭部:大きな三角形で、首との境目がはっきりしている
背中:濃い褐色の「銭型模様(まだら模様)」が体の中央に連続
体型:短く太いずんぐりとしたシルエット、全長は約50~60cm程度
目:瞳孔が縦長(マムシなどの毒蛇の特徴)
マムシは体型と模様で比較的見分けがつきやすいです。見かけた場合は絶対に近づかず、その場から静かに離れましょう。間違われやすいヘビにヤマカガシやアオダイショウがいますが、ヤマカガシも毒を持っていますので、どんなヘビでも見かけたら、近づかないようにしてくださいね。
◆ もし噛まれたら?
注意しても噛まれてしまう場合があるかもしれません。そんな時は、冷静に対処しましょう!
マムシの毒は筋肉や血液に強く作用し、放置すると重症化や命に関わることもあります。必ず以下のように対処してください:
焦らず落ち着き、体をできるだけ動かさない(毒の回りを遅くするため)
噛まれた患部を心臓より低い位置に保つ
毒を口で吸い出すなどの民間療法はNG!
すぐに医療機関へ連絡・搬送を
◆ 血清を常備している病院(※2025年現在)
マムシの毒の治療には血清が必要です。常備されている病院は多くはありません。みなかみ町のある、利根沼田地域では下記2つの大きい病院には備えられています。
沼田病院 住所:沼田市上原町1551-4 電話:0278-23-2181
利根中央病院 住所:沼田市沼須町910-1 電話:0278-22-4321
まずは一報を入れてから、病院に向かいましょう! 万一の際に備えて、スマホや緊急連絡カードに情報を登録しておくのもおすすめです。
2. その他、みなかみ町で注意すべき危険生物
マムシのほかに、いなか暮らしの日常ではさまざまな生き物が存在しています。自然の中で暮らすということは、たくさんの生き物と共存するということ。豊かな自然の中で「自然の中でどんな生き物と出会うか」をあらかじめ知っておくことが大切です。
下記は、人に害を及ぼす可能性がある動物の一例です。
生き物 | 特徴・注意点 |
スズメバチ | 6〜10月に活発化。巣に近づくと襲ってくることがある。家の軒下に酢を作られることも。黒っぽい服装は避けましょう。 |
ツキノワグマ | 山間部に出没。最近は生活圏に近づいている例も。早朝・夕方に活動。基本は臆病ですが、子連れは注意。鈴やラジオを鳴らして行動を知らせるのが有効です。 |
ヤマカガシ | 一見おとなしいが、毒をもつ。マムシより見た目が細長い。咬まれたら要治療。 |
ヒル(ヤマビル) | みなかみ町でも生息エリアが広がっています。湿った森や沢沿いに多く、足元から忍び寄って吸血。忌避スプレーが有効。苦手な人も多いです。 |
アブ・ブヨ | 夏場に川や森で刺されることがある。刺されると数日かゆみ・痛みが治らないことも。虫よけと肌の露出を控えることで対策。 |
3. 知っていれば、恐くない
こうした生き物たちは、人間をわざわざ襲いにくる存在ではありません。人が生き物たちの生息地域に踏み込んだり、生活圏が重なったりすることでが大きな原因となっています。うっかり近づいたり刺激したときに思わぬ事故になることもあるため、事前の知識と備えをすることが大事です。
地域では出没情報や、昔から地元に住む人・先輩移住者などから、地域ごとの実情と出没エリア・対処法など知ることができます。地域のコミュニティに関わることで自然との距離感も知ることができます。
4. 自然の恵みもリスクも、まるごと楽しむ
「田舎は自然がいっぱいで素敵!」と思っていたら、マムシやスズメバチの話が出てきて驚いた方もいるかもしれません。
でも、それが自然の中で生きるということ。都会では見えづらい“自然の近いいなか暮らしのリアル”と向き合うことで、自分の感覚や行動に責任を持つ暮らしがはじまります。
自分で学び、備え、そして地域とつながる。そんな力を少しずつ身につけていけば、自然と共にある暮らしは、きっとあなたに新しい豊かさを与えてくれるはずです。
ぜひ現地で、「リアル」を体感してみてください!
みなかみ町では、移住検討者向けの体験イベントや視察ツアーなども行っています。自然と暮らし、人との距離感を、自分の目で確かめてみませんか?
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