みなかみに移住して10年。伝統の藤原湖マラソンを走って、地域のことをさらに知る。
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みなかみに移住して気がつけば10年。地域おこし協力隊として観光協会でも働き、地域のことを知った「つもり」でいましたが、まだまだ知らないこともたくさんありました。
2026年8月23日、今年で67回を迎える藤原湖マラソンに初めて参加してきました!
藤原湖マラソンは、藤原ダムの完成を記念して始まり、今年で第67回。調べてみると、1950年代から続いている、全国的に見てもかなり歴史の長いマラソン大会でした。
毎年開催されている地域のイベントであることは、もちろん知っていましたが、
走るのはあまり好きではないのもあり、正直、これまではそれほど関心を持っていませんでした。
地域のイベントではあるけれど、競技者ではないに自分には、ちょっと遠いイベント。そんなふうに、去年まではとらえていました。
「地域の人が関わる大切な大会」だと知った、昨年の経験
そんな見方が変わったのは、昨年、初めてスタッフ側として大会に関わったことがきっかけでした。
早朝、陽の光に輝く会場に立った時、会場にはよく知る地域の皆さんの姿。 役場の職員はじめ、地域住民や観光関係者など、多くの「地域のみんな」が運営として、そして参加者としてこの場所に集まっていました。
それぞれが自分の立場で、一つの大会を動かし、楽しんでいる姿を見て、地域ならではの人が見えるイベントの大切さを感じていました。
1950年代に始まった大会が、自然に67回まで続いてきたわけではありません。
毎年開催するために準備し、現場に立ち、大会を支えてきた人たちがいる。その積み重ねが、第67回という数字になっています。
役場と住民、地域の関係者が一緒になって運営している姿を見て、藤原湖マラソンは単に町内で開催されているマラソン大会ではなく、地域が受け継いできた行事なのだと感じました。
そんな景色が印象的で、「今年参加する」と決意したのでした!
結局、トレーニングはほとんどできておらず、めっちゃ不安がいっぱいでしたが!
5キロ部門にエントリー!

今回は5キロ部門に出場しました。
普段から走り込んでいるわけではないので、まずは無理のない距離から……と思っていたのですが、藤原湖マラソンを少し甘く見ていました。
スタートからほぼずっと、坂。フラットがほぼありません。
ずっと上ったと思ったら帰りは下り。予想以上のエグいコースです。
しかも開催は8月。夏の暑さも重なり、5キロでも十分にハードなコースでした。
ずっと登って、折り返してからの下りもかなりハード。
67回の歴史は伊達ではない、自然に近い場所でのマラソン大会の洗礼を特と感じさせられたのでした。
車では一瞬で過ぎてしまう景色

藤原湖周辺の道は、普段も車で通ることがあります。
車なら、藤原湖や集落の景色も一瞬で通り過ぎてしまいます。今回は自分の足で走ることで、道路の傾斜や湖との距離、山あいに続く道の形を、いつもよりゆっくり感じることができました。
……と言いたいところですが、実際はかなり必死。
景色をじっくり眺める余裕は、それほどありませんでした。
それでも、車の窓から見る景色とは違います。
暑さや坂道を含めて、藤原という地域の地形を身体で感じられたことは、今回走ってみて得られた体験でした。
道路の穴から見える、雪国の暮らし
コースを走っていると、道路に開いた穴や、傷んでいる箇所も目に入ります。
注意喚起で白く囲まれている部分も多数見られます。
車で走っていると気づきにくい小さな凹凸も、自分の足で走るとはっきり分かります。
藤原は、みなかみ町の中でも特に雪の多い地域です。冬の凍結と融解の繰り返しや、除雪作業など、雪国の道路には大きな負荷がかかっているのが原因かもしれません。
暮らす人が少ない地域でも、地域の維持には傷んだ道路の補修も必要になる。
マラソンを走りながら、雪国で暮らすことを支えるインフラと、それを維持していく地方の難しさにも少し触れた気がしました。
きれいな景色や自然の豊かさだけではなく、そこで暮らし続けるためにかかる必要な手間や費用、そして暮らしをどう残していくか。そういった課題感も含めて地域です。
会場で地元の人に会える心地よさ

マラソン大会初心者として安心できたのは、会場のローカルな雰囲気でした。
知っている地元の人に会い、声をかけてもらう。
町内の子どもたちも走り、地域の人たちが大会を支えている。
昨年はスタッフ側から見ていた大会の中に、今年はランナーとして自分がいる。
大会に参加することなんて思いもよらなかったですが、たくさんの知り合いがいることでとても身近になったように感じます。もちろん知り合いがいなくても、このマラソンの持つ独特のアットホームな雰囲気と大自然の景色は格別です。
大規模な都市型マラソンのような派手さとは違いますが、地域に根ざしたイベントだからこその距離の近さがあります。
移住して10年が経ち、こうした場で顔見知りに会えるようになったことにも、時間の積み重ねを感じました。
この町に住み始めたばかりの頃に参加していたら、また違う景色に見えていたと思います。
走ったあとは、地元のお蕎麦屋さんへ

無事に5キロを走り終えたあとは、馴染みの蕎麦屋「角弥」へ。
観光客にも人気のお蕎麦屋さんです。
私は、スノーボードの後、登山のあとなど、訪れることが多いのですが、汗をかいた身体を落ち着かせながら、いつもの美味しい蕎麦をいただきました。
「今日走ってきたの?」と声をかけられて、話も弾みます。盛りの良いそばが人気ですが、この日は一瞬でペロリ!腰のある冷たいそばが、そばの香ばしい香りと共に、喉をスルスルと駆け抜けます。
歴史ある地域のマラソンを走り、帰りに馴染みの店へ寄る。
観光で訪れるのとは少し違う、暮らしているからこそできる一日の過ごし方でした。
藤原湖マラソンは、正直名だたるレースイベントではありません。
コースは厳しいし、夏は暑い。道路を走れば、雪国ならではの地域課題も見えてきます。
それでも、長いあいだ地域で受け継がれてきた大会に、自分も参加者として加われたことに心地よさを感じました。
地域で暮らす、そして地域のイベントに関わる・参加する。
関わり方が増えることで、それまで見えていなかった地域の歴史や、それを支えている人たちの姿も見えてきました。
移住して10年。
まだまだ地域の知らないことや見落としていること、気付いてない良さ、いろんな宝が眠っているんだろうな、と感じています。
観光だけではない、地域の人がとても大事にしている行事や物事をしり、関わり、参加してみる。
そんな小さな経験の積み重ねが、この地域で暮らすことを、少しずつ自分のものにしてくれるのだと思います。
暮らしは、その地域に係り続ける限り、近くにあります。
たった10年から、もっと地域を知っていきたいな、と改めて感じました。
正直大変ですけど、もし気になったらぜひ、参加してみてください。
地域の本当の姿が見えるんじゃないかな、と思います!
藤原湖マラソン




